平面のベクトルa,bを成分で書いて,a=(a1,a2),b=(b1,b2)とする。このとき,(a,b)=a1b1+a2b2を aとbのスカラー積,または内積という。このスカラー積については,(1)(a+b,c)=(a,c)+(b,c),(2)(b,a)=(a,b),(3)スカラーαについて,(αa,b)=α(a,b),(4)a≠0ならば(a,a)>0が成立する。もっと一般に,実数体R上のベクトル空間Vの元a,bに対して実数(a,b)が定まり,(1)~(4)が成立するとき,これをV上のスカラー積と呼ぶ。ユークリッド空間はスカラー積の定まったベクトル空間と考えられる。R上の有限次元ベクトル空間には必ずスカラー積が入るが,そのスカラー積は一意的ではない。実数体を複素数体Cでおきかえて,(2)を(2)′におきかえたものもスカラー積と呼ばれる。スカラー積をもったc上のベクトル空間をユニタリ空間という。とおくと,|(a,b)|≦/a/∥b/(コーシー・シュワルツの不等式)が成り立つ。また,a,bの距離を/a-b/で決めれば,Vは距離空間になる。
執筆者:丸山 正樹
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