距離空間
きょりくうかん
metric space
集合 R の任意の2点 x ,y に対して,1つの正数 ρ(x,y) が,次の性質を満足するように定義できるとき,この集合 R を距離空間という。 (1) ρ(x,x)=0 ,(2) ρ(x,y)=0 なら x=y ,(3) ρ(x,y)=ρ(y,x) ,(4) ρ(x,y)+ρ(y,z)≧ρ(x,z) 。 ρ を2点 x ,y の組と ρ(x,y) との対応と考えれば,ρ は1つの関数である。この関数を距離関数といい,実数 ρ(x,y) を x と y の距離という。このような距離の定義されている位相空間を距離空間という。ユークリッド空間 ,ヒルベルト空間,フレッシェの空間などがその例である。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
きょり‐くうかん【距離空間】
〘名〙 数学で、距離の定義された集合。集合Aのどの二元a、bに対しても、一つの実数
d(a, b) が対応し、次の四つの条件がみたされる場合のAをいう。d(a, b)≧0、d(a, b)=0 ということと、a=b ということとは同値である。d(a, b)= d(b, a)、d(a, c)≦d(a, b)+d(b, c)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
きょり‐くうかん【距離空間】
任意の二点間に距離が定義される空間。例えば、平面上の二点間では距離が定義できるから、平面は距離空間である。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
きょりくうかん【距離空間 metric space】
平面上の2点P,Qの距離をd(P,Q)で表したとき,次の3条件が成り立つ。(1)d(P,Q)≧0でかつP=Qのときに限ってd(P,Q)=0,(2)d(P,Q)=d(Q,P),(3)d(P,R)≦d(P,Q)+d(Q,R)。一般に,集合Sにおいて,その任意の2元P,Qに対して一つの実数d(P,Q)が定められていて,上の3条件が成り立つとき,Sを距離空間といい,d(P,Q)をPとQの距離という。平面上の点P,Qを直交座標により(x1,x2),(y1,y2)で表すとき,
となる。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報