翻訳|streamer
細長い導電性の放電路。気体,液体などの絶縁物中で放電が発生する場合,まず電子が電界で加速され,分子に衝突して電離させ次々に電子を増倍していく過程を電子なだれという。電子なだれが発展すると,電子なだれから発する光などの作用で近くに新たな電子なだれを誘発し,これらが合流して導電性の大きい放電路を形成する。この放電路形成の第2段階をストリーマーと呼ぶ。
イギリスのミークJ.M.Meekは,1938年から40年までアメリカのレープL.B.Loebのもとで気体放電を研究している間に,電子なだれがストリーマーに転換すると火花放電が発生するというストリーマー理論を発表した。今日でもタウンゼントの理論と並んで気体中の火花放電開始理論の主流になっている。
なお,電極間の距離が数十cm以上の長ギャップでは,ストリーマーの幹をなすリーダーと呼ばれる放電路が第3段階として生ずる。
執筆者:河野 照哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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…最近では,人工衛星にのせたコロナグラフにより,散乱光のないスペースからずっと外側の外部コロナまで調べることが可能となった。太陽コロナは太陽活動と関係して形を変え,一般に太陽活動極大期にほぼ円形となり,極小期には赤道方向にいくつかの光った“つの”(ストリーマーstreamer,コロナの流線ともいう)をもった形に見える。この形は,数日から10日くらいで変化するが,これはコロナ自体の変化にもよるが,太陽の自転により地球から見るストリーマーの角度が変わることにもよっている。…
※「ストリーマー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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