スマートハウス(読み)すまーとはうす(英語表記)Smart House

デジタル大辞泉 「スマートハウス」の意味・読み・例文・類語

スマート‐ハウス(smart house)

HEMSヘムスを活用して家庭内のエネルギー機器や家電などを管理し、エネルギーの消費を最適に制御した住宅スマハ
[補説]スマートホーム同義に用いられることもあるが、特に、利便性より省エネを重視するものをさしていう。→スマートホーム

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「スマートハウス」の解説

スマートハウス

IT(情報技術)を使って、家庭内の照明器具調理器具、冷暖房器具などの電気やガスエネルギー源とする機器(以下機器)を制御し、省エネとCO2排出の削減を実現する住宅。これまでのように住人が各々で省エネを意識するのではなく、住宅自らが家庭内の各機器を管理し、省エネを行う。
スマートハウスは、過去にもその概念を「情報化された住宅」と捉え、国内で取り組みが行われたことがあった。一つは1990年頃で、電話回線を使って外出先からエアコンや風呂など、家庭内の設備機器をコントロールできる住宅が公開された。もう一つは、インターネットが普及した2000年頃で、インターネットが電話回線の代わりとなり、電子レンジ冷蔵庫がインターネットにつながる住宅が公開された。しかし、規格の標準化やインフラの整備などが問題となり、いずれも普及には至らなかった。
その後のインターネットの高速化や発電装置、蓄電装置の進化に伴い、スマートハウスは、設備機器の情報化による快適さだけでなく、省エネなど、エネルギーのコントロールを求めるものへと発展した。よって、現在のスマートハウスは、「省エネ」に加え、「創エネ」が実現できる住宅を指す。つまり、太陽光による発電システムや、水素酸素から電気と熱を作り出すエネファームなどの家庭用燃料電池といった発電装置を備え、家庭でエネルギーを創り出せる住宅である。
スマートハウスにおける「省エネ」でキーワードとなるのは、「HEMS(Home Energy Management System)」だ。HEMSとは、住宅内の機器を通信ネットワークで結び、自動的に省エネやCO2削減を目指すシステムである。国内のメーカーなどで運営されており、住宅内の機器を制御する仕組みの開発や普及促進を図る組織「エコーネットコンソーシアム(ECHONET)」が開発した通信規格「ECHONET-Lite(エコーネットライト)」が、HEMSの標準インタフェースとして推奨されている(11年12月、経済産業省より)。このため、今後は、ECHONET Liteに対応した家電機器、蓄電池等によってHEMSが普及していくことになる。なお、政府は、30年までにHEMSを全世帯へ普及させることを目標としている。

(横田一輝 ICTディレクター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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