日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スミソニアン研究機構科学博物館群
すみそにあんけんきゅうきこうかがくはくぶつかんぐん
アメリカ、ワシントンにあるスミソニアン・インスティチューションには、アメリカの国立博物館が併設されている。そこには、自然史博物館、歴史技術博物館、航空宇宙博物館の3館がある。
自然史博物館は、大英自然史博物館、パリ国立自然史博物館、ニューヨークのアメリカ自然史博物館と並んで世界的にも注目されている博物館であり、3館のうち歴史ももっとも古い。ここには5500万点を超える収集品がある。それらの収集品は世界各地から集められているが、とりわけ北アメリカ関係の資料については他の博物館の追従を許さない。
歴史技術博物館は、1964年にオープンされ、日常の生活を中心にしながら、部屋、室内装飾、家財道具、建物に関する展示を行っている。そのほか、輸送システムに関する展示や、農業、動力機械、工業についても展示を行っている。航空宇宙博物館は、1976年に開館した。気球、飛行機、宇宙飛行など、人類が願望してやまない空を飛ぶ技術に関して多くの展示が展開されている。なかでもアメリカが世界的に優位にある航空宇宙技術に関する業績については焦点を鮮明にして展示している。この博物館は開館してから1年間で入場者が1000万人を超えるという記録的な数字を残しており、世界的に人気を博している。宇宙飛行士が館長を務めたこともある。
[雀部 晶]
『加藤秀俊編『世界の博物館1 アメリカ歴史技術博物館』(1978・講談社)』▽『佐貫亦男編『世界の博物館2 ワシントン航空宇宙博物館』(1978・講談社)』