スルフィド(読み)するふぃど(その他表記)sulfide

翻訳|sulfide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スルフィド」の意味・わかりやすい解説

スルフィド
するふぃど
sulfide

一般式R-S-R′(R、R′は炭化水素基)で示すことができる化合物総称チオエーテルともいう。メルカプタンチオール)R-SHに、アルカリの存在でハロゲン化アルキルを作用させると生成する。

 R-SH+R'-X+NaOH →R-S-R'+NaX+H2O
 メルカプタンとスルフィドの関係は、アルコールROHとエーテルR-O-R′の関係に相当する。メルカプタンは強い悪臭をもっているが、分子量の小さなスルフィドにも悪臭がある。酸化によって、スルホキシドR-SO-R′、スルホンR-SO2-R′などを生じる。

[務台 潔]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「スルフィド」の解説

スルフィド
スルフィド
sulfide

チオエーテルともいう.RSR′の一般式で表される化合物の総称.エーテルの酸素原子を硫黄原子で置き換えた化合物である.一般に不快臭をもち,水に不溶,有機溶媒に可溶.ハロゲン化アルキルと反応し,スルホニウム塩を生じる.酸化によりスルホキシド,スルホンとなる.各種の金属塩錯体を形成する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のスルフィドの言及

【チオエーテル】より

…2価の硫黄原子に炭化水素基が結合した形の有機化合物R-S-R′。エーテルの酸素原子の代りに硫黄原子が入った構造であることから,チオエーテルと総称されるが,個々の化合物はメチルフェニルスルフィドCH3SC6H5,ジメチルスルフィドCH3SCH3などのように二つの炭化水素基名を冠してスルフィドsulfideと命名される。一般に無色の液体で,特有の臭いをもつ。…

※「スルフィド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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