日本大百科全書(ニッポニカ) 「ズラータペル」の意味・わかりやすい解説 ズラータペルずらーたぺるScipio Slataper(1888―1915) イタリアの小説家、批評家。トリエステ生まれ。高校時代からイッレデンティスタ(領土回復主義者)として雑誌に投稿を続ける。フィレンツェに学び、『ボーチェ』誌同人となる。第一次世界大戦に志願兵として参加し、ゴリツィアのポドゴラ山の激戦で戦死。『わがカルソ』(1912)が代表作。これは青春の魂を綴(つづ)った自伝的小説で、世紀末的耽美(たんび)主義と同時に野性人としての詩情あふれる作品。ほかに『イタリアに必要な国境』(1915)、『イプセン』(1916)などの評論がある。[望月紀子] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例