セルゲーエフ・ツェンスキー(読み)せるげーえふつぇんすきー(英語表記)Сергей Николаевич Сергеев‐Ценский/Sergey Nikolaevich Sergeev-Tsenskiy

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

セルゲーエフ・ツェンスキー
せるげーえふつぇんすきー
Сергей Николаевич Сергеев‐Ценский/Sergey Nikolaevich Sergeev-Tsenskiy
(1875―1958)

ロシア・ソ連の小説家。処女詩集『思索幻想』(1901)を発表したのち散文に転じた。知識人と農村を描いた初期の作品は暗く厭世(えんせい)的だが、革命後建設的な労働者集団を描くようになった。伝記、歴史小説にも優れ、レールモントフを扱った『暴徒詩人』(1933)、クリミア戦争を扱った『セバストポリ苦戦』(1937~38)などは、第二次世界大戦中愛読された。ロシア民衆の帝国主義戦争に対する抵抗を描いた代表作『ロシアの変貌(へんぼう)』は、『バーリャ』(1914)、『大砲は曳(ひ)き出される』(1944)などの独立の長編を含む。ほかに短編集『真の人間』(1943)などがある。

[沢崎洋子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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