ソロン族(読み)そろんぞく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソロン族」の意味・わかりやすい解説

ソロン族
そろんぞく

中国北部の興安嶺(こうあんれい/シンアンリン)一帯嫩江(どんこう)流域に住むツングース系の人々。中国では「索倫」と表記する。現在ではエベンキ人の一グループとされることが多い。農耕牧畜も行うが狩猟を得意としたため、ダフール人らとともに清(しん)代には八旗制に編入され、とくにプトハ八旗、メルゲン八旗の主力となり、北方防備、また西方に転戦した。現在、新疆(しんきょう/シンチヤン)ウイグル自治区の塔城県と霍城(かくじょう)県にその兵士の子孫が残っている。文化は満洲族やダフール人の影響を強く受けている。出自父系。宗教はシャーマニズム的。

[板橋作美]

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世界大百科事典(旧版)内のソロン族の言及

【ツングース語系諸族】より

…一方,満州語群は満州語(シボ方言を含む)と女真語(死語)からなっている。 シベリア語群,アムール下流語群の諸語を使用する民族は,ソロン族を除いてほとんどがロシア領に居住する。そのうち,最も人口の多いエベンキ族(2万9900人(1989,ロシア側のみ)。…

※「ソロン族」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」