タイムシフト視聴率(読み)たいむしふとしちょうりつ

知恵蔵 「タイムシフト視聴率」の解説

タイムシフト視聴率

録画で見られているテレビ番組の割合を示すもの。リアルタイム視聴したものは除いて調べられている。録画再生率ともいう。
近年ハードディスクやDVD等の録画機器の充実により、休日や深夜に録りだめた番組を視聴する人が増加したといわれ、より正確な視聴実態を把握するための録画再生率が注目され始めた。テレビの視聴率を調査している株式会社ビデオリサーチ社が指標を作成し、2013年10月から関東で調査を開始。調査は音声フィンガープリントによる機械式(PM)調査(テレビから出力された音声をデータ化して送信、サーバーに蓄積されている番組データベースと照合して判定する方式)で行われ、14年7月に初めてその調査データの一部(3月31日から6月29日までの集計)をサンプルとして公表した。また、15年1月からは定期的なデータ提供開始を予定している。
14年7月発表のデータは、関東1都6県の計300世帯(約800人)を対象に行われた調査によるもので、放送日当日に加え、放送日翌日から7日以内の番組再生率が調べられたものである。この調査で1位となったのはドラマ「日曜劇場 ルーズヴェルトゲーム」で、リアルタイム視聴率が14.5%だったのに対して、録画再生率は7.7%だった。なお、リアルタイム視聴率の調査は、録画再生率調査とは別の世帯を対象に行われているため、単純に比較はできない。
また、米国ではハードディスク内蔵型のデジタルビデオレコーダーの普及率が44%を超えたことや、ビデオ・オンデマンドサービスの利用が伸びていることから、タイムシフト視聴が増大している。ただし、録画再生ではCMをスキップすることが容易であるため、広告スポンサーは警戒感を示している。ビデオリサーチ社によると、日本では録画再生中にCMがスキップされるケースは約5割に上るという。

(松岡理絵  フリーランスライター / 2014年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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