日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
タルデュー(André Tardieu)
たるでゅー
André Tardieu
(1876―1945)
フランスの政治家。パリに生まれ、エコール・ノルマルに学ぶ。1903年から1914年まで政府系新聞『タン』紙の論説記者として健筆を振るい、内外の注目を浴びた。1914年に下院入りし、第一次世界大戦では将校として従軍したのち在米特別代表を務めた(1917~1918)。パリ講和会議ではクレマンソーの右腕としてベルサイユ条約作成に活躍し、クレマンソー内閣下で返還地域担当相(1919~1920)を務めた。その後、保守派諸内閣で公益事業相(1926~1928)、内相(1928~1930)、無任所相(1934)を歴任し、その間三度首相も務めた(1929~1930、1930、1932)。彼の内閣は、政府の積極的介入による経済拡大という新しい政策を採用したが、議会の支持はかならずしも得られなかった。彼は議会政治に失望し、1930年代には保守的な国家改造を主張し続けた。
[平瀬徹也]
[参照項目] |