ターボシャフトエンジン(読み)たーぼしゃふとえんじん(英語表記)turboshaft engine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ターボシャフトエンジン」の意味・わかりやすい解説

ターボシャフトエンジン
たーぼしゃふとえんじん
turboshaft engine

航空機用タービンエンジン一種ガスエネルギーを100%軸の回転力として取り出すようにしたエンジン。多くの場合、フリータービン形式空気圧縮機を駆動するタービンとは別に、出力を軸に取り出すため独立した専用のタービンを備える形式)を採用し、減速装置を経て出力軸を駆動する。主としてヘリコプター回転翼駆動用として開発され、現在ではヘリコプター用エンジンの主流となっている。

[落合一夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ターボシャフトエンジン」の意味・わかりやすい解説

ターボシャフト・エンジン
turboshaft engine

ガスタービン・エンジンの一種。おもにヘリコプタに使われるもので,燃焼ガスのエネルギーを数段のフリー・タービンで軸出力として取り出し,ギアボックスで減速して回転翼 (ロータ) を駆動する。当初ピストンエンジンを使用していたヘリコプタは 1960年代,小型,軽量,高出力のターボシャフト・エンジンの実用化によって飛躍的な発展をとげた。いまではごく一部の小型機を除き,ほとんどのヘリコプタがターボシャフト・エンジンを装備している。それも軽量小型のため,単発から双発,三発まで複数の装着が可能となり,飛行性能の向上とともに,安全性の向上にもつながった。 (→ガスタービン )

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世界大百科事典(旧版)内のターボシャフトエンジンの言及

【航空エンジン】より

…今日では,ピストンエンジンは小馬力用に水平対向型空冷ピストンエンジンが低価格であることから新製されているだけである。なお,ジェットエンジンと同じくガスタービンを利用したエンジンでも,動力を軸出力としてとり出すものは,厳密にはジェットエンジンとはいわず,プロペラ駆動用ガスタービンはターボプロップエンジン,ヘリコプター用ガスタービンはターボシャフトエンジンという。ジェットエンジン【八田 桂三】。…

【ジェットエンジン】より

…定常流動定圧燃焼ガスタービンの一種であるターボファンエンジン,ターボジェットエンジン,ラムジェットエンジンと,間欠流動定容燃焼ガスタービンの一種であるパルスジェットエンジンに分けられる。広義にはガスタービン系航空エンジンを総称してジェットエンジンということもあり,この場合にはガスタービンで発生した動力を軸動力として取り出し,それによってプロペラを駆動して推力を発生するターボプロップエンジン,ヘリコプターの揚力や推力を発生するローター(回転翼)などを駆動するターボシャフトエンジンを含める。これらはすべて定常流動定圧燃焼ガスタービンに属する。…

※「ターボシャフトエンジン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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