ダニューブ文化(読み)ダニューブぶんか

世界大百科事典 第2版の解説

ダニューブぶんか【ダニューブ文化】

中部ヨーロッパの新石器時代文化。ドナウ(ダニューブ)川下流域から,パリ盆地にかけての東西2000km余りの範囲にひろがっている。西アジアに起源をもつ農耕文化がヨーロッパ大陸へ伝わるには,地中海北岸伝いにイタリア,フランスへの経路とともに,ドナウ川沿岸の黄土地帯を西へたどる経路が主要ルートとなった。この点が重要視され,とくにイギリスの考古学者チャイルドの研究によって,ダニューブ文化の名が広まった。しかし現在では,この文化はドニエストル,ビスワ,オーデル,エルベ,ライン,マース,セーヌの諸川流域の黄土地帯にも分布することが知られており,ヨーロッパの学界では,むしろ帯文土器Bandkeramik文化と呼ばれる方が多い。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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