日本大百科全書(ニッポニカ) 「エルベ」の意味・わかりやすい解説
エルベ
えるべ
Gustave Hervé
(1871―1944)
フランスの政治家、ジャーナリスト。初め高等学校の歴史学教授を務めたが、社会党最左派の活動家として頭角を現し、その激しい反軍宣伝のため再三訴追された。1906年に自派の機関紙『社会戦争』La Guerre socialeを創刊する一方、第二インターナショナルの諸大会でも反愛国主義とゼネスト戦術を唱えて指導者たちから問題児視された。1914年の第一次世界大戦開幕に際しては一転して非妥協的愛国主義者となり、『勝利』La Victoireと改名した機関紙でクレマンソーの強硬論を支持した。大戦後はさらに右傾化し、1930年代にはペタン元帥の指導する「国民革命」を唱えて、後のビシー時代の先駆けとなった。
[平瀬徹也]