ダルマティア(その他表記)Dalmatia

翻訳|Dalmatia

改訂新版 世界大百科事典 「ダルマティア」の意味・わかりやすい解説

ダルマティア
Dalmatia

ローマ帝国属州の一つで,現在のほぼユーゴスラビアに当たるダルマタエ族の居住地域。後9年イリュリクムは二つの属州に分割され,アドリア海東岸地域一体が属州ダルマティアとして知られるようになった。サロナSalona(現,ソリンSolin)を中心とする沿岸都市には,イタリア,ギリシアオリエントから多くの移民商人が流入し,肥沃な地域に定住したので,港や道路網が整備された。内陸部においては農耕民が村落形態で居住したり,なかには遊牧生活を続ける部族もあったが,渓谷地域にはウィラをもった大所領農場経営も散見される。その後,この地方の出身者であるディオクレティアヌス帝によって二つの管区に分割された。
ダルマツィア
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「ダルマティア」の解説

ダルマティア
Dalmatia

ユーゴスラヴィア西部,アドリア海に面した沿岸の地域名
古代ローマ帝国の属州(プロヴィンキア)で,中世にはヴェネツィア領,その後オスマン帝国領,オーストリア領をへて一時フランス領となり,特に19世紀には列強抗争の地となった。第一次世界大戦後,ユーゴスラヴィア領となる。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

今日のキーワード

ベートーベンの「第九」

「歓喜の歌」の合唱で知られ、聴力をほぼ失ったベートーベンが晩年に完成させた最後の交響曲。第4楽章にある合唱は人生の苦悩と喜び、全人類の兄弟愛をたたえたシラーの詩が基で欧州連合(EU)の歌にも指定され...

ベートーベンの「第九」の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android