チヌーク

百科事典マイペディア 「チヌーク」の意味・わかりやすい解説

チヌーク

シヌークとも。北米ロッキー山脈東側に吹きおろしてくる西からのフェーン風。24時間以内に気温が20℃以上も上がり湿度は10%以下に下がり,急速に山岳部の雪をとかすので〈雪食いsnow-eater〉と呼ばれることもある。南カリフォルニア沿岸に吹くフェーン風はサンタ・アナと呼ばれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チヌーク」の意味・わかりやすい解説

チヌーク
chinook

北アメリカロッキー山脈の東斜面に吹く局地風。山の斜面を吹きおろすフェーン一種で,暖かく乾燥している。チヌークが吹くと積雪短時間に融解することから,スノーイーター snow eaterの名もある。

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世界大百科事典(旧版)内のチヌークの言及

【風】より

… タクtakuアラスカの南東部ジュノー付近で吹く東または北東の強風。 チヌークchinookロッキー山脈東麓に吹き降りる西風で,乾燥したフェーン風。この風が吹くと気温が急上昇し,雪が溶けるのでスノー・イーターsnow eaterともいわれる。…

【フェーン】より

…これは山に沿って上昇する空気塊が凝結高度以上では湿潤断熱減率(約5℃/km)で降温し,降水を終えてから山に沿って降下するときには乾燥断熱減率(約10℃/km)で気温が上昇するために起こるものである(図参照)。アルプス北側のスイスの谷間とかアメリカのロッキー山脈の東側山麓(これはチヌークChinookと呼ばれている)などで顕著にみられるが,日本でも台風が日本海を通過するときなどに日本海沿岸でフェーン現象が起こり大火の一因となっている。水が水蒸気になるときは潜熱を周囲から取り,反対に水蒸気が凝結するときは潜熱を周囲に放出するが,水蒸気が凝結を起こすに足りないほど山が低い場合には,このフェーン現象は起こらないことになる。…

※「チヌーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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