世界大百科事典 第2版「チノリモ(血糊藻)」の解説 チノリモ【チノリモ(血糊藻) Porphyridium cruentum Naegeli】 陰所の湿地や石垣,あるいは温室の土壌表面やガラス面など,空中に露出した場所に血のりをつけたような状態で生育する暗紅色の紅藻。体は径7~10μmの球形の単細胞であるが,2分裂によって増殖した多数の個体が粘質物中に集まって存在するので,全体は血糊のように見える。和名はこの状態に由来する。紅藻綱チノリモ目チノリモ科に所属するが,細胞内に星状の色素体をもつことから,似た形状の色素体をもつウシケノリやアマノリなどと近縁の藻と考えられている。 出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報