ツナソ(読み)ツナソ(その他表記)Corchorus capsularis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツナソ」の意味・わかりやすい解説

ツナソ(綱麻)
ツナソ
Corchorus capsularis

シナノキ科の多年草。インド原産といわれる。作物としては一年草として扱われる。高さ1~2.5m,茎は濃黄緑色で根もとから分枝し,互生する葉は長さ 10cmあまりの披針形で先は鋭くとがる。栽培する場合は密植し,枝分れをさせないのが普通である。葉柄の基部には1対の針状の托葉があり,また葉身の基部の左右に針状の突起がある。夏から秋の頃,葉腋に芳香のある小さい黄色の花が数個集ってつく。花は5萼片,5花弁をもち,花弁は長さ約 7mm,先端がややへこむ。おしべ多数,めしべの子房は星状に5つに裂け,褐色で球形蒴果となる。茎からとる繊維がジュートまたは黄麻と呼ばれ,穀物,茶,綿花チリ硝石などを入れる袋に使用する。主産地はインドのベンガル地方とバングラデシュで,世界の生産のほぼ全部を占める。なお,近縁の別種シマツナソ C. olitoriusからも同様の繊維をとり,やはりジュートと呼ぶことがある。

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百科事典マイペディア 「ツナソ」の意味・わかりやすい解説

ツナソ

ジュート

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツナソ」の意味・わかりやすい解説

ツナソ
つなそ

コウマ

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のツナソの言及

【麻織物】より

…天然の植物繊維である麻を使った織物。麻の種類や幹,茎,葉など採取する部分の相違によって種類,製法もきわめて多く,性能,用途も異なる。おもなものに亜麻(フラックス。織ったものをリネンと呼ぶ),苧麻(ちよま)(ラミー,カラムシともいう),大麻(ヘンプ),黄麻(ジュート,つなそともいう),マニラ麻,サイザル麻などがある。麻類はそれぞれ相違はあるが,多くは繊維細胞が集まって繊維束を形づくっており,繊維束の繊維素以外に表皮や,木質部,ゴム質,ペクチン質などを含有しているので,より細かく分繊して糸にし織物にするのが良く,ロープ,紐類などは繊維束をそのまま撚り合わせて使用する。…

【ジュート】より

…麻袋などの粗布に広く利用される,強く紡績しやすい植物性の靱皮繊維,およびこの繊維をとる植物の総称。繊維はツナソCorchorus capsularis L.(コウマ(黄麻)ともいう。英名white jute)とシマツナソC.olitorius L.(タイワンツナソともいう)の2種のシナノキ科一年草から採取されるが,前者の方が品質がよくて収量も多いので広く利用される。…

※「ツナソ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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