ツンダス(読み)つんだす(英語表記)Chrestos Tsountas

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツンダス」の意味・わかりやすい解説

ツンダス
つんだす
Chrestos Tsountas
(1857―1934)

ギリシアの考古学者。1886年から93年にかけてミケーネの発掘に専念、城壁内部では王宮、付属建造物、給水保全用地下通路を、城壁外の地域ではトロス墓や多数の岩室墓を発掘し、副葬品を厳密に分析、初めてミケーネ文化の実相を明らかにした。著書『ミケーネとミケーネ文化』Mykenai kai Mykenaios Politismos(1893)における見解は、シュリーマン説を根本的に修正するものであった。その後、エーゲ海島々を発掘して「キクラデス文化」を発見した。20世紀初めからはテッサリア地方の発掘を始め、1909年には『ディミニとセスクロの先史アクロポリス』Ai proïstorikai akropoleis tou Dimeniou kai tou Sesklouを公刊した。キリアコス・ピタキス(1798―1863)が近代ギリシアの最初の考古学者であったとすれば、ツンダスは、ギリシア先史考古学の学問的研究の基礎を敷いたギリシア最初の本格的な研究者であった。

[馬場恵二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android