テトゥアン旧市街〈旧名ティタウィン〉(読み)テトゥアンきゅうしがい〈きゅうめいティタウィン〉

世界遺産詳解 の解説

テトゥアンきゅうしがい〈きゅうめいティタウィン〉【テトゥアン旧市街〈旧名ティタウィン〉】

1997年に登録された世界遺産(文化遺産)で、モロッコ北東部、ジブラルタル海峡から60kmほど内陸部に入った場所にある。テトゥアンは、8世紀頃から、モロッコとイベリア半島の中継点として栄えたが、14世紀末にスペインによって破壊された。町を再建したのは、15世紀末にレコンキスタによってスペインを追われてこの地に逃れてきたイスラム教徒とユダヤ教徒だった。16世紀には城砦も建設され、旧市街(メディナ)の原型ができ上がった。町並みは、スペイン文化の影響を強く受けて、アンダルシア風の白い壁の家々が密集している。旧市街にはスペイン・ムーア様式と呼ばれる、スペイン様式をアラブ風に昇華させた建造物が多く残っている。旧市街の中央に建つ王宮は、その代表的なものである。このような独特の様式の建物と町並みが評価され、世界遺産に登録された。◇英名はMedina of Tetouan(formerly known as Titawin)

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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