デュポン・ド・ヌムール(英語表記)Pierre Samuel Dupont de Nemours

世界大百科事典 第2版の解説

1739‐1817
フランスの経済学者,政治家。はじめ医学を学んだが,のち経済学に転じ,ケネーの弟子として重農学派経済学の発展と普及に努めた。同学派の機関誌《農業,商業,財政評論》や《市民日誌》の編集にあたり,ケネーの著作の編集と解説をした《重農主義》2巻(1767,68)を刊行したほか,みずからも多数の著書,論文を発表した。経済学者としては,必ずしも独創的な理論家とはいえないが,穀物取引の自由の経済的意義を明らかにした点で功績があった。

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世界大百科事典内のデュポン・ド・ヌムールの言及

【重農主義】より

…18世紀の後半,フランス絶対王政は,特権的独占商人や奢侈品(しやしひん)工業の保護育成を中心とするフランス型重商主義政策(コルベルティスムcolbertisme)や,金融政策を中心とする商業主義(ジョン・ローの体制)によって,経済的にも財政的にも破綻(はたん)に(ひん)し,体制的危機に直面した。その再建策として大農経営の発展を提唱したF.ケネーを創始者とし,その自然法思想や政策的主張や経済学説を祖述し発展させたV.R.ミラボー(ミラボー侯),P.S.デュポン・ド・ヌムール,メルシエ・ド・ラ・リビエール,A.N.ボードー(ボードー師),G.F.ル・トローヌ,A.R.チュルゴなどを代表者とする一団の経済学者に共通する経済思想・政策的主張・理論体系を一括して示す名称。重農思想の先駆者としてはケネーよりも前に,17世紀から18世紀初めにかけて活躍したP.Le P.ボアギュベール,J.ボーダン,R.カンティヨンなどをあげることができるが,ケネーは単なる農業重視ではなく,資本制的大農経営を重視した点で決定的に異なっている。…

※「デュポン・ド・ヌムール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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