日本大百科全書(ニッポニカ) 「とさか」の意味・わかりやすい解説
とさか
とさか / 鶏冠
comb
鳥類の頭上にある肉質の突起で、肉冠ともいう。ある種のキジ目の鳥などに存在し、代表的なものはニワトリのとさかである。とさかは、いわゆる三次性徴の一つで、その発達は性ホルモンの影響を受け、雄でよく発達している。したがって、雄鶏を去勢すると、とさかは退化する。組織的には、外側の表皮層と数層の真皮層よりなり、通常の皮膚が分厚く隆起したものといえる。色は、表皮下の血管のために、通常は赤色である。とさかのおもな機能はディスプレーと種の認識であるが、ニワトリでは単冠、バラ冠、クルミ冠、エンドウ冠などのいろいろな形態のとさかがあり、遺伝子の単純な支配によって生ずる。
[森岡弘之]