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腔腸動物 クウチョウドウブツ

7件 の用語解説(腔腸動物の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

くうちょう‐どうぶつ〔クウチヤウ‐〕【×腔腸動物】

こうちょうどうぶつ(腔腸動物)

こうちょう‐どうぶつ〔カウチヤウ‐〕【×腔腸動物】

動物界の一門。ほとんどが海産。体は外胚葉(がいはいよう)内胚葉の2層からなり、体内には大きな腔腸をもつ。口の周囲に触手があり、刺胞(しほう)をもつものが多い。着生生活をするポリプ型と浮遊生活をするクラゲ型とがあり、両型を世代交代するものと、どちらか一型だけのものとがある。ヒドロ虫類ハチクラゲ類・花虫類に分けられる。刺胞動物

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百科事典マイペディアの解説

腔腸動物【こうちょうどうぶつ】

無脊椎動物の一門。放射相称で,発生学上は外胚葉と中胚葉からなり,消化器官はあまり発達せず口と肛門の区別はない。円筒形で先端に多くの触手があり着生性のポリプ型ポリプ)と,傘(かさ)形で下面から触手が出る浮遊性のクラゲ型とがある。

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世界大百科事典 第2版の解説

こうちょうどうぶつ【腔腸動物 Coelenterata】

クラゲイソギンチャクサンゴなどを含む比較的下等な一動物門。ヒドロ虫綱,ハチクラゲ綱,花虫綱の3綱が含まれる。体内が食物を消化する広い胃腔になっているところからこの名がある。また触手や他の部分に有毒な刺胞をもつので刺胞動物Cnidariaとも呼ばれている。かつてはクシクラゲ類が腔腸動物の中に含められていたが,体の構造上から有櫛(ゆうしつ)動物という別門にされた。多細胞動物ではあるが,体の構造は簡単で,中枢神経や排泄器はなく,消化系と循環系とがまだ分離していないなど進化の程度は低い。

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大辞林 第三版の解説

こうちょうどうぶつ【腔腸動物】

動物分類上の門の一。ヒドロ虫綱・鉢クラゲ綱・花虫綱から成る。原則として体は内胚葉と外胚葉との二層からできており、内部は大きな空所となり、胃腸の働きをするとともに一部の種類では血管の役もする。口・触手・刺胞・感覚器・神経系などの器官をもつ。多くは海産で、無性生殖と有性生殖とを交互に繰り返す種類が多い。従来は、クシクラゲ類も含めたが、現在ではこれを有櫛ゆうしつ動物門として別に扱う。刺胞動物。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

腔腸動物
こうちょうどうぶつ

刺胞動物」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

腔腸動物
こうちょうどうぶつ

動物界を構成する1門Coelenterataを構成する動物群。ほとんどが海産で、下等無脊椎(むせきつい)動物の一群であり、ヒドラ、クラゲ、イソギンチャク、サンゴなどの各類を含む。一般にヒドロ虫綱、ハチクラゲ綱、花虫(はなむし)綱、クシクラゲ綱の4綱に分けられるが、このうちクシクラゲ綱はほかの3綱とはかなり異なった特徴をもっており、最近ではクシクラゲ類は有櫛(ゆうしつ)動物という独立の1門として扱い、クシクラゲ類を除いたほかの動物群を狭義の腔腸動物、あるいは刺胞(しほう)動物Cnidariaという名の動物門とすることが多い。以下に主として狭義の腔腸動物について論述する。[山田真弓]

形態

(1)クラゲ型とポリプ型 腔腸動物の体は外皮と内皮の2細胞層からできている。その2細胞層の間に中膠(ちゅうこう)とよばれる部分があり、この中膠の厚さはさまざまであるが、これは細胞層ではなく外皮と内皮から分泌されたものである。第三の細胞層、すなわち中胚葉(はいよう)が発達しないことで、腔腸動物は海綿動物とともにほかの後生動物から明瞭(めいりょう)に区別される。腔腸動物は多くの後生動物の発生初期の段階である嚢胚(のうはい)の状態に相当するものと考えられ、その体形は基本的には放射相称である。また、有性生殖のほかに無性生殖がしばしば行われ、その結果、群体が形成されることもまれではない。腔腸動物の各個体の中央には一つの腔所がみられ、ここで消化も行われ、腔腸動物の名もこれに由来している。
 腔腸動物の体形には基本的に、ポリプとよばれる定着の生活に適応した型と、反対に浮遊の生活に適応したクラゲの型との二つが区別される。ポリプの体は一般に管状で、その一端に口が開き、また口と反対の一端で他物に付着している。一方のクラゲは傘形、鐘形などで、その凸面を上方に向け下面に口が開いている。すなわち、ポリプとクラゲとはその体の上下が反対になっているものと考えられる。腔腸動物のなかにはこの両方の型を一生の間に交互に経過していくものと、そのどちらか一方だけのものとがある。ポリプとクラゲの両方をもつものでは、ポリプ型のものは無性生殖を行い、一方、クラゲ型は有性生殖を行い、それらが交互に現れていわゆる世代交代がみられるのである。一般にポリプの型では、しばしばその外皮からの種々の分泌物によって一種の被膜がつくられ、それによって体が保護されている場合が多い。ときにはイシサンゴ類のように、石灰質を分泌しそれによって堅固な外骨格をつくるが、南海のサンゴ礁はそれらの骨格によってつくられたものである。
(2)刺胞 腔腸動物の組織中には、この動物群にきわめて特異な刺胞とよばれるものが存在している。クシクラゲ類にはこの刺胞はみられないので、クシクラゲ類を除いた狭義の腔腸動物を刺胞動物ともよぶのである。現在、知られている限りでは、刺胞はすべての狭義の腔腸動物の種類および個体に広く分布しており、その組織の一片からでもそれに刺胞が含まれていれば腔腸動物と判定できるほどである。刺胞は腔腸動物にとっては重要な武器であり、いろいろの刺激によって刺胞内部の糸状の管が発射され、中の毒液が相手の動物の組織内に注入され、一度発射されるとその刺胞は死んでしまう。刺胞の毒液の強さ、性質などは種類によって異なっており、カツオノエボシ(デンキクラゲ)、ヒクラゲ、アンドンクラゲ、アカクラゲなど人間に対して強い毒性を示すものもあるが、一般にはそのような強い毒のものは少ない。クラゲばかりでなくポリプにも強い毒をもつものがある。
(3)神経系 腔腸動物には神経系が存在しているが、これはいわゆる散在神経であって、ほかの動物の神経のように中枢神経をもっていない。感覚器官としては眼点と平衡器とが存在する。[山田真弓]

生殖・発生

腔腸動物の生殖腺(せん)には外胚葉性のものと内胚葉性のものとがある。一般に雌雄異体であるが雌雄同体のものもある。受精した卵は基本的には全割、等割、放射型の卵割を行うが、卵黄の量などによって不規則の場合も少なくない。陥入、葉裂、移入などの方法で嚢胚が形成されて内胚葉がつくられると、一般にプラヌラとよばれる繊毛をもった遊泳性の幼生となり、このプラヌラがしばらく海中を遊泳したあとに底に沈み、付着して若いポリプに変態する。また、ポリプ型をまったくもたない種類では、プラヌラは直接に若いクラゲに変態する。[山田真弓]

分布・利用

腔腸動物は現在約9000種ほどが知られているが、それらのすべてが水中にすみ、陸上にすむものはいない。それらのほとんどすべてが海産であるが、ごく少数が淡水および汽水にすむ。淡水産のものとしては、ヒドラ、マミズクラゲなど世界でごく少数しか知られていない。
 腔腸動物のなかには、ビゼンクラゲのようにおもに東洋で食用とされるものがあるほか、アカサンゴ、シロサンゴ、モモイロサンゴなどは、それらの骨格が古来、帯留、ネックレス、ブローチなどの装飾用として利用されている。また、造礁サンゴであるイシサンゴ類もその骨格が置物などとして利用されることがある。[山田真弓]

研究史

19世紀から20世紀にかけてのドイツの学者ヘッケルE. Haeckelは、原生動物鞭毛(べんもう)虫類のボルボックスの群体のようなものから後生動物が生じたのであろうと考え、この球形中空の細胞球をブラステアとよび、このブラステアの一端が内側に陥入して形成された2層の細胞層からなる幼形をガストレアとよび、これが腔腸動物の基になったと考えた。すなわち、ガストレアは、多くの後生動物の初期発生中に出現する嚢胚に相当するものであり、それが現在の腔腸動物に変わったとしたのである。また、このような球形中空の細胞球がやがて中実で卵形のものに変わり、現在の多くの腔腸動物に広くみられるプラヌラ幼生に似たものとなり、このプラヌラ類に似たものが腔腸動物の直接の祖先であろうと考える学者もある。このようなプラヌラ類似のものに、口、胃腔が生じ、さらに口の周囲に触手の環列が生じて、ここに腔腸動物の原型ができあがったのであろうと考えるのである。一方、近年旧ユーゴスラビアの動物学者ハッジJ. Hadiは、多核の原生動物繊毛虫類から扁形(へんけい)動物渦虫類の無腸類のようなものが直接生じ、これが着生生活に適応した結果、腔腸動物の花虫類のポリプが生じたのであろうと主張している。[山田真弓]

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