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トレイルランニング とれいるらんにんぐ trail running

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知恵蔵2015の解説

トレイルランニング

森や山中、自然公園などの未舗装の道を走るスポーツ。以前は山岳マラソンなどと称され、山野を舞台に活動する一部の人たちがトレーニングを兼ねて登山道や林道を走っていた。近年は自然に触れながら体力増進やダイエットを図ろうとフィットネス感覚で始める人が増えている。アウトドアの体験スクールフィットネスクラブイベントなどにも取り入れられている。本場アメリカでは市民マラソン並みに多数のレースを開催。

(松倉一夫 アウトドアライター / 2007年)

トレイルランニング

未舗装路(トレイル)を走るスポーツ。トレイルとしては、林道、登山道、ハイキングコース、砂利道など多様な未舗装路がある。ロード(舗装路)と違い、トレイルの路面には、石、岩、木の根、階段などがあって平らではなく、不安定な場所や傾斜の急な場所、ぬかるんだ場所や水が流れているところを走ることもある。そのため、安定性、衝撃吸収性、防水性のあるトレイルランニングシューズが使われることが多い。
日本のトレイルランニング競技の歴史は、1913年に開催された富士登山競争が最古とされる。25年以降は駅伝競技となり、何度か中断を経て現在に至る。大会発起人金栗四三(かなぐりしそう)の名を冠した「金栗四三杯」が一般の部優勝チームに与えられる。48年には個人種目の富士登山競争も始まった。
日本のトレイルランニング競技普及の草分けとなったのは、ヨーロッパアルプス3大北壁冬季単独初登山や南米アコンカグア南壁冬季単独初登山などの記録を達成した登山家、長谷川恒男(故人)の業績を記念し、東京都山岳連盟が創設した「日本山岳耐久レース長谷川恒男CUP」(通称ハセツネCUP)である。本大会は、奥多摩主要峰を走破する全長71.5キロメートル制限時間24時間の競技で、第1回大会は参加者約300名であったが、ランニングブーム、トレイルランニングブームによって参加希望者は増大し、参加申し込み受付直後に定員に達する人気となっている。第23回大会となる2015年の募集定員は2500名。
トレイルランニングの大会には大きく分けて二つのタイプがあり、一つはピークハントと呼ばれ山頂に到達するタイムを競うもの、もう一つは山麓から標高約1000メートル前後までの山を縦走する山岳路を走破するタイプである。日本では、10キロメートル程度の短距離からハセツネCUPに代表される中距離の大会がほとんどだが、北米やヨーロッパアルプスなどでは100マイル(約160キロメートル)規模の長距離を2日間以上かけて走る歴史あるレースが多く開催されている。
日本では、トレイルランニングの人気の高まりと共に、ランナーマナーや、ハイカーや登山者との間のトラブルが問題となり始めた。15年3月31日、環境省は「国立公園内におけるトレイルランニング大会等の取扱いについて」とする国立公園課長通知を各地方環境事務所長あてに発表。東京都も同年3月30日に、「東京都自然公園利用ルール」を発表し、この中で、登山、トレイルランニング、マウンテンバイクペット同伴登山など、利用形態に応じたルール (マナー含む)などについて記載した「自然公園利用の個人ルール」全20項目と、タイムを競い参加者が100名を超えるトレイルランニング大会等開催時のルールについて全10項目を定めている。

(葛西奈津子 フリーランスライター/2015年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

トレイルランニング

山や丘陵の舗装されていない道(トレイル)を走るスポーツ。日本トレイルランニング協会によると、国内の愛好者は約20万人。山岳レースでは、山梨県富士吉田市から富士山頂をめざす「富士登山競走」が今年で68回目。天才クライマーの長谷川恒男(故人)をしのび、1993年に始まった東京・奥多摩の71.5キロを2日間にわたって走る「ハセツネカップ 日本山岳耐久レース」も人気が高い。

(2015-10-05 朝日新聞 朝刊 神戸・1地方)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トレイルランニング
とれいるらんにんぐ
trail running

山や森林にある登山道や林道などを走るスポーツ。トレイルラン、トレランともいう。スポーツ競技のランニングの一種であるが、マラソンのように身体一つに近い状態で走る競技とは、走る道の違いのほか、装備の面でも異なっている。おもに山間部を走るため、標高差による気温や天候の変化、不測のけがなどを考慮し、救急用の治療セット、防寒着やレインウエアヘッドライト、水などの装備を小型のリュックサックに収納して携帯する。また、悪路が多いため、靴底に地面を噛(か)むような溝がある軽量で専用の靴を履く。日本トレイルランニング協会(JTRA=Japan Trail Running Association)によると、競技として規定されるコースの条件は以下の4点である。(1)走行コースの75%以上が未舗装路であること。(2)泥や木の根などの自然の障害物があること。(3)激しい高低差があること。(4)大自然の美しい景観が得られること。
 ヨーロッパやアメリカでは未舗装路のランニング競技として、100年以上も前からクロスカントリーが行われてきた下地があり、アメリカでは2003年に全米陸上競技連盟(USATF=USA Track & Field)認定の最初のトレイルランニングの公式レースが開かれた。2009年には競技人口が480万人に達している。日本では市民マラソンや登山などの流行も影響し、2010年(平成22)ころから愛好者が急増しているが、2012年の時点で、日本陸上競技連盟はトレイルランニングを正式な競技種目として認定していない。また、狭い山道を大ぜいの競技者が走るため、環境保全の面で物議を醸すケースも起きている。しかし、日本でも定期的な競技大会が開催され、競技の認識やマナーの意識も着実に浸透している。富士山周辺や信越地域、東京近郊などを拠点に走行距離が40キロメートル未満の定期的な大会が増えており、100キロメートル以上の距離を走破するトレイルレースも行われている。2012年には156キロメートルに及ぶ富士山麓(さんろく)一周コースを走る、第1回「ウルトラトレイル・マウントフジ」(UTMF=Ultra-Trail Mt. Fuji)が開催された。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
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