林道(読み)りんどう

日本大百科全書(ニッポニカ)「林道」の解説

林道
りんどう

林産物の運搬や植林、伐採、治山治水の各事業、レクリエーション利用、森林管理などのために、森林内外に通ずる交通路として築造される施設をいう。幅員4メートル前後、砂利敷きの単線自動車道が普通であるが、交通量の多い幹線には、維持管理のしやすいアスファルト舗装の単線あるいは複線の自動車道が建設されている。奥地の自然保護を必要とする森林地帯を通過せざるをえない林道にあっては、とくに自然と調和した路線の選定、路体の作設が不可欠となっている。日本全国で年間新設される自動車道としての林道は減少傾向にあり2000年度(平成12)には1187キロメートルであったものが、2010年度では484キロメートルに減少した(国有林林道・民有林林道の合計)。このほか、森林内で林道とともに林内路網ネットワークを構成する、フォワーダーなどの林業機械の走行を想定する森林作業道がある。この林道・作業道からなる林内路網密度(単位はメートル/ヘクタール)は林業の重要な生産基盤の指標で、日本は約17メートル/ヘクタール(2009)で、オーストリア89メートル/ヘクタール(1992~1996年の数値)、ドイツ118メートル/ヘクタール(旧西ドイツ圏1986~1989年の数値)の林業先進国に比べ著しく低く、林道と作業道との一体となった路網整備が望まれている。なお、既設林道で山村住民の生活と密着したものは、府県道や町村道に各地で無数移管され、民生に役だてられている。

[山脇三平]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「林道」の解説

林道
りんどう
forest road

森林の総合的,合理的な管理経営を行うための基盤となる輸送施設。森林の開発はまず市場と森林を結びつける到達林道の開設に始り,森林内部に施業林道か経営林道が開設され,作業技術体系が変革されるに伴い,施業林道から分岐した路線,作業道が開設されるようになる。林道規程 (1955.4.1.制定) によれば,自動車道 (1,2級) ,森林鉄道 (1,2級) ,車道,木馬道 (きんまみち) ,牛馬道,索道,流送路の7種に区分され,各種の林道を組織化した運搬系統を林道網という。現在ではおもに自動車道,軽車道をさし,一般的には自動車道をさすことが多い。また林道には地域経済助成の目的もあり,一般道路 (国道県道) と路網を形成する場合も多く,多目的利用性がある。しかし,特に幅員の大きい舗装道路などは森林環境への影響が強く,施工法や利用法などに十分に配慮した管理運営が望まれている。

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百科事典マイペディア「林道」の解説

林道【りんどう】

林産物の運搬と森林経営のために必要な交通を行うための施設。広域の森林経営・管理のための幹線である特定森林開発林道(スーパー林道)などは,道路開設による自然環境に対する影響評価や施工法について十分な調査が必要。→国有林野事業
→関連項目森林鉄道

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精選版 日本国語大辞典「林道」の解説

りん‐どう ‥ダウ【林道】

〘名〙 木材の運搬や山林の管理のために森林に設けられた道。
※花物語(1908)〈寺田寅彦〉八「或る夏演習林へ林道敷設の実習に行った時の事である」

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世界大百科事典 第2版「林道」の解説

りんどう【林道 forest road】

林道は林業の経営あるいは森林の管理に必要な道路であり,主として木材運搬に使われるが,農山村に開設されることが多いので,農山村地域の生活道路としても使われる。林道は輸送機能を重視したものと,集材機能を重視したものがあるが,一般的には幹線は輸送機能,支線・分線は集材機能が強い。集材距離を短縮し,集材費の節減をはかるのが林道開設の主要な目的であるから,地形や森林の経営条件を十分に考慮したうえで林道網計画がたてられる。

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