ニブフ族(読み)ニブフぞく(英語表記)Nivkh

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニブフ族」の意味・わかりやすい解説

ニブフ族
ニブフぞく
Nivkh

アムール川下流地域とサハリン島 (樺太) に住む少数民族。ニブフは自称で,旧称ギリヤーク Gilyak。 20世紀末の人口約 4600。言語は古シベリア諸語の1つとされ,周囲の言語から孤立する。また形質的特徴も近隣のツングース系統とは異なり,モンゴロイド一群であることは確実で,古シベリア人種とも考えられるが,系統は未詳で,孤立している。従来は,外婚制氏族組織をもち漁労狩猟採集を行い,氏族の成員は相互扶助の義務を負った。ソ連政府の統治下に入ってからは,経済活動は共同化され,散在する村落は統合された。以降,農業が導入され,牛の飼養も行われている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android