ネウストリア(その他表記)Neustria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ネウストリア」の意味・わかりやすい解説

ネウストリア
Neustria

メロビング朝時代のフランク王国の一分国。フランク王国の領土は,初め数個の分邦に分れていたが,次第に南西ドイツからフランス北部にいたる北東部のアウストラシアと,セーヌ流域を中心とする西部のネウストリアに分けられるようになった。ネウストリアとは「新しい国土」の意。9世紀以降その意味する地域はだんだん狭くなり 11~12世紀にはノルマンディー北方だけをさすようになった。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ネウストリア」の解説

ネウストリア
Neustria

メロヴィング朝フランク王国の西部地方(西王国の意)。ほぼロワール川からマース,ムーズ両河間の地帯。首府ソワソン。クロタール1世の子たちによる王国分割後(567年),ゲルマン的なアウストラシアに対しローマ的性格を濃くし,ピピンによる統一まで両地方間の対立は激しかった。

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世界大百科事典(旧版)内のネウストリアの言及

【メロビング朝】より

…相続の方法は前回と同じであるが,4人の相続者のうちカリベルトの死(567)後の3分国が以後定着する同朝の分国図となった。旧ランス分国を主体とする,ゲルマン勢力の強いアウストラシア(東分国,王都メッツ),セナトール(元老院)貴族などのローマ勢力が濃厚に残存する,旧オルレアン分国を核とするブルグント(王都シャロン・シュル・ソーヌ)および両勢力がほぼ伯仲する,旧ソアソンを中心とするネウストリア(西分国,王都パリ)の3分国がそれである。前回では,隣接して置かれた王都が,今回では各分国のほぼ中央部に移動しており,このことは各分国の分立的傾向の深まりを示している。…

※「ネウストリア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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