アブー・ハニーファの名によって名づけられたスンナ派イスラムの法学派。アブー・ハニーファ,アブー・ユースフ,シャイバーニーの著述・教授活動を通じ,それ以前の地域的法学派としてのクーファ学派を中心に,バスラ学派を吸収しながら形成された。スンナ派の他の3法学派に比べ,地域的法慣行や学者の個人的見解にいくらか寛大なことが特徴で,商業と商人に理解を示す学派として知られた。アブー・ユースフ以後,アッバース朝カリフの保護を受け,イラク,シリア,イラン,中央アジア,インドに広まり,初期にはマーリク派と並んで西方イスラム世界でも支持を得,とくにアグラブ朝下の北アフリカとシチリアで栄えた。トルコ人は最初からハナフィー派に属し,同派はセルジューク朝,オスマン朝の歴代君主の保護を受け,オスマン帝国およびインドのムガル帝国で,最も権威ある法学派とみなされた。
執筆者:嶋田 襄平
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…世界にさきがけて全身麻酔を行った華岡青洲の通仙散には,チョウセンアサガオの葉が用いられた。麻痺性有毒植物としては,ツツジ科のアセビ,レンゲツツジ,ハナヒリノキなどが酩酊状態を招き手足がしびれ呼吸麻痺で死にいたる中毒をおこす。ギリシアの歴史家クセノフォンの記録には,兵士たちがツツジ科植物に由来する蜂蜜をなめて狂乱しある者は死んだ,と書かれている。…
※「ハナフィー派」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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