アブーユースフ(その他表記)Abū Yūsuf

改訂新版 世界大百科事典 「アブーユースフ」の意味・わかりやすい解説

アブー・ユースフ
Abū Yūsuf
生没年:731-798

アラブのイスラム法学者。クーファの人でアブー・ハニーファマーリク・ブン・アナスに法学を学び,ハナフィー派の事実上の創始者。バグダードカーディーとなり,アッバース朝カリフハールーン・アッラシードにより初代の大カーディーに任ぜられ,同時にその政治顧問となった。著書ハラージュの書》《先例の書》《アブー・ハニーファとイブン・アビー・ライラーの意見の相違の書》が現存する。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アブーユースフ」の意味・わかりやすい解説

アブー・ユースフ
Abū Yūsuf

[生]731
[没]798. バグダード
イスラム法学者で,ハナフィー学派創設者の一人アブー・ハニーファを師として法学や伝承学を学び,バグダードの法官に任じられてからはハールーン・アッラシードの顧問にもなってカリフの法律問題財政政策を指導した。現存する唯一著作はアッラシードの求めに応じて書かれた『租税の書』 Kitāb al-kharāj。

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