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バナート Banat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バナート
Banat

ドナウ川,ティサ川,ムレシュ川,南カルパート山脈に囲まれた地域。中世にはハンガリー王国領,16世紀にはオスマン帝国領。 1716~78年にハンガリーを支配したハプスブルク家がこの地域を対オスマン辺境防衛軍管区として組織した。この軍管区はラテン語で banatus temesiensis (テメシュ大守領) と呼ばれた。それまでこの地域一帯の総称はなかったが,banatusがバナートの語源となり,この地域をバナートと呼ぶようになった。 79年以降再びハンガリー領。住民はルーマニア人,セルビア人,ハンガリー人,ドイツ人などであった。第1次世界大戦後のトリアノン条約により,ルーマニア,ユーゴスラビア,ハンガリーの間で分割された。北部と東部がルーマニア領,南部と西部が旧ユーゴスラビア領,北西部がハンガリー領となった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バナート
ばなーと
Banat

かつてハンガリー南部に位置した多民族居住地域。ティサ川の東、ムレシュ川の南、ドナウ川の北、トランシルバニア・アルプスの西に位置する。ハンガリー人、セルビア人、ルーマニア人などが居住していたが、16世紀にオスマン・トルコ領、18世紀にオーストリア領、のちハンガリー領になった。第一次世界大戦後、東の3分の2弱をルーマニアが、残りを旧ユーゴスラビアが支配した。第二次世界大戦中、ユーゴスラビアの支配部分をドイツが占領下に置いたが、戦後ユーゴスラビア領に復し、ボイボディナ自治州となった。その後、ユーゴスラビア解体(1991)に伴い、セルビアとモンテネグロで構成される新ユーゴスラビア(2003~06年は「セルビア・モンテネグロ」)に、06年以降はセルビアに属している。[木戸 蓊]

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世界大百科事典内のバナートの言及

【バナト】より

…歴史的には北はムレシュ川,西はティサ川,南はドナウ川,東は西カルパチ山脈に囲まれた方形の地域を指し,現在はその大部分がルーマニア,一部がユーゴスラビアに属している。ルーマニア語ではバナトゥルBanatul,セルビア語ではバナートBanat,ハンガリー語ではバーナートBánátまたはバーンシャーグBánság。この地名は南スラブ語のバンban(〈主人〉〈支配者〉の意)に由来し,バンの支配領域を指していた。…

※「バナート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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