バフェット(読み)ばふぇっと(その他表記)buffet

翻訳|buffet

デジタル大辞泉 「バフェット」の意味・読み・例文・類語

バフェット(buffet)

飛行機機体に生じる振動の一。失速時の乱気流や、遷音速域の衝撃波原因となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バフェット」の意味・わかりやすい解説

バフェット
ばふぇっと
buffet

航空機が飛行中に引き起こす振動の一つ。バフェッティングbuffetingともいう。この現象は低速時でも高速飛行時でも生じ、原因は機体(あるいは翼)から気流がはがれることによる。低速度で大迎え角の姿勢で飛行しているときのバフェットは、翼が部分的に失速したり、翼と胴体との接合部分など断面積が複雑に変化しているところから気流がはがれ、渦を含んだ気流が水平尾翼に当たって機体全体に生ずる振動である。逆に高速飛行の場合は、飛行速度が音速に近づいて翼の表面に発生した衝撃波がしだいに強くなることにより、翼の表面に沿う気流がはがれ、それが尾翼に当たって振動を発生する。また、旋回飛行を行うと迎え角を大きくしなければならないので、低速・高速飛行とも水平直線飛行のときよりもバフェットが発生しやすくなる。どちらも失速の直前に発生するので、失速の警報となる。高速飛行で発生する翼の振動(フラッターflutter)とは発生の原因がまったく異なり、バフェットは空力特性が原因であるのに対し、フラッターは構造に原因がある。

[落合一夫]

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