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バラスト水管理条約

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

バラスト水管理条約

排出するバラスト水に含まれる短径50マイクロメートル以上のプランクトン等を、1立方メートル当たり10個未満、10マイクロメートル以上50マイクロメートル未満は1ミリリットル当たり10個未満とし、病原性コレラや大腸菌などについても規制値を設けた。条約発効には30カ国以上の批准が必要だが、国土交通省によると、批准国はスペインツバルなど、10カ国(5月末現在)。

(2007-07-11 朝日新聞 夕刊 環境)

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デジタル大辞泉の解説

バラストすいかんり‐じょうやく〔‐スイクワンリデウヤク〕【バラスト水管理条約】

船体を安定させるために注入されるバラスト水を介し、生物や病原菌が異なる海域で排出され、生態系などに悪影響を及ぼすことを防ぐことを目的とする国際条約。2004年に国際海事機関(IMO)で採択。2017年9月発効。バラスト水の交換を入港前に沖合で行うことや、2009年以降に建造される船舶にはバラスト水の処理装置の設置が義務付けられている。バラスト水条約バラスト水規制条約。正式名称は、2004年の船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バラスト水管理条約
ばらすとすいかんりじょうやく

船舶にバラスト水ballast waterの浄化システム搭載を義務づける国際条約。正式名称はInternational Convention for the control and management of Ships' Ballast Water and Sediments, 2004で、日本語では「二千四年の船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」と訳されており、バラスト水条約、船舶バラスト水規制管理条約などともいう。一般に船舶は、荷を積んでいないときにはタンクにバラスト水とよばれる海水を入れて重さをもたせて船体を安定させる。これを寄港地で荷を積む際に排出するが、その際にバラスト水に含まれる外来種の微生物や病原菌も一緒に排出されるため、それらが本来の生息地以外で排出されることによる生態系の破壊や漁獲量減少などを防ぐねらいがある。国際海事機関(IMO)が2004年に採択した。条約の発効条件は、30か国以上の批准と、批准国の合計商船船腹量が世界の35%以上になることであるが、2014年10月時点で批准国は41か国に達し、合計船腹量は30.3%となっており、2015年にも条約が発効する見通しである。日本では2014年(平成26)に国会で同条約の批准が承認された。
 世界で移動しているバラスト水総量は年間30億~50億トンと推計され、たとえば、北米沿岸に生息するクラゲ類が黒海やカスピ海で繁殖し、動物プランクトンや魚の卵を食い荒らして漁業に深刻な影響を与えている。赤潮を発生する植物プランクトン、カキなどを毒化する貝毒プランクトン、外来種として生態系を破壊する海藻、カニ類、貝類などや、コレラ菌、大腸菌、腸球菌などの細菌の海洋間の移動も問題視されている。バラスト水の浄化処理には、濾過(ろか)、薬品処理、オゾン処理、紫外線照射など複数の方法がある。[矢野 武]

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