デジタル大辞泉 「バンツースタン」の意味・読み・例文・類語 バンツースタン(Bantustan) 南アフリカ共和国がアパルトヘイト政策に基づいて1950年代に設置した、バンツー族などの黒人居住地域。同国に10か所、実効支配していたナミビアに8か所置き、1970年代に独立や自治を与えたが、名目的なものとして国連や諸外国は承認しなかった。1990年のナミビア独立で同国内のものは消滅。アパルトヘイト撤廃後の1994年に南アフリカのものも廃止された。ホームランド。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バンツースタン」の意味・わかりやすい解説 バンツースタンBantustan アパルトヘイト時代の南アフリカ共和国政府が行なった領土的隔離政策により,国内の黒人(バンツー語系諸族)に割り当てられた 10の指定居住地域。「バンツー族の国」の意。ホームランド,バンツーホームランドなどとも呼ばれる。政府は 1959年のバンツー自治促進法に基づき,人口の 75%以上を占める黒人を部族別に 10のバンツースタンに分離し,名目上の自治を与えた。1963年に自治を認められたトランスケイが 1976年に,次いで 1977年ボプタツワナ,1979年ベンダ,1981年シスケイが独立したが,国際社会はこれに強く反発し,承認しなかった。バンツースタンに割り当てられた土地は,やせて鉱物資源に乏しい荒地が多かったため経済的な自立は難しく,多くは低賃金の出稼ぎ労働者となって白人居住区に住まざるをえなかった。1991年にアパルトヘイトが全廃されたのち,国内の民主的再構築が進み,1994年バンツースタン市民は南アフリカの市民権を獲得した。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報