日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
パットン(George Smith Patton Jr.)
ぱっとん
George Smith Patton Jr.
(1885―1945)
アメリカの軍人。1909年陸軍士官学校卒業。1932年陸軍大学卒業。1942年第一機甲軍団長として北アフリカ上陸作戦に参加、1943年第七軍司令官としてシチリア島に進攻、38日で同島を占領して勇名を馳(は)せた。1944年6月第三軍司令官としてノルマンディー上陸作戦に参加、わずか4週間でフランス中部を制圧、さらに1945年3月ライン川を突破、4月末にはドイツ南部、チェコスロバキア西部、オーストリア西部を占領した。同月大将に昇進。ドイツ降伏後、バイエルン地方の軍政長官に任命された。彼は勇猛な司令官として知られたが同時に失敗も多く、シチリア島作戦では戦闘神経症になった味方の兵士を臆病(おくびょう)だと殴打して非難され、また戦後、連合軍の非ナチ化政策を批判してバイエルン地方の軍政長官および第三軍司令官を罷免された。1945年12月失意のうちに旧西ドイツ、マンハイム近くでの自動車事故により死亡した。
[藤村瞬一]
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