パノラマ写真(読み)パノラマシャシン(英語表記)panoramic photography

デジタル大辞泉 「パノラマ写真」の意味・読み・例文・類語

パノラマ‐しゃしん【パノラマ写真】

広大な光景一目で見られるようにした写真分割撮影してプリント時に境界線を接合して作るもの、フィルムのこまの上下をカットして撮影するもの、専用カメラでブローニーフィルムを横長に使って撮影するもの、デジタル写真データをパソコンなどで加工して作るものなどがある。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「パノラマ写真」の意味・わかりやすい解説

パノラマ写真
ぱのらましゃしん
panoramic photography

パノラマは汎(はん)視界を意味するギリシア語panhoramaに由来し、全方位の視界をカバーすること。パノラマ写真とは、視界の全周写真、ないしそれに近いきわめて広い画角をもった写真をさす。19世紀中期フランスで史上初の実用的な写真術ダゲレオタイプが発明された直後から、パリ市街を撮ったパノラマ写真が制作されている。わが国でも、写真術の先覚者上野彦馬(ひこま)が、明治初年に、丘の上から眺めた長崎の港湾風景を四枚組みのパノラマ写真に撮っている。以来、観光的な風景写真、地理的観測軍事を目的に広く制作されるようになった。これには、普通のカメラによるものと、専用カメラによるものの二つの方法がある。普通のカメラを用いる場合は、水平方向に画面をずらしながら数枚撮影し、これを印画時につなぎ合わせる。専用カメラでは、撮影レンズが機械的に水平旋回して特殊シャッターを連動させ、長尺のフィルムに切れ目のないパノラマ画像を得る構造になっている。

[平木 収]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

大臣政務官

各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...

大臣政務官の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android