日本大百科全書(ニッポニカ) 「パノラマ」の意味・わかりやすい解説
パノラマ
ぱのらま
panorama
半円形に湾曲した背景画などの前に草木や人物などの模型を配して立体感を現し、照明により室内で観賞する者に、野外の広い実景を見るような感じを与える装置。1788年イギリスの美術家リチャード・パーカーによって創案された。日本では1890年(明治23)東京・上野公園で開催された第3回内国勧業博覧会に登場したパノラマ館が最初である。日露戦争当時を全盛期としてその後衰退した。また2メートルほどの背景画に立体模型を配してガラス越しに観覧させるジオラマもあった。現在はショーウィンドーや壁面利用にパノラマが応用されている。なお、周囲の景色が遠くまで見渡せる高い場所のことをパノラマ台ともいう。
[斎藤良輔]