ヒガンマムシグサ(読み)ひがんまむしぐさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒガンマムシグサ」の意味・わかりやすい解説

ヒガンマムシグサ
ひがんまむしぐさ / 彼岸蝮草
[学] Arisaema aequinoctiale Nakai et F.Maek.
Arisaema undulatifolium Nakai

サトイモ科(APG分類:サトイモ科)の多年草。葉は通常2枚でやや同大。小葉は鳥足状に7~13枚つき、小葉間の軸はあまり発達しない。3~5月、葉に先だって花序をつける。仏炎包(ぶつえんほう)は褐紫色を帯びる。花序の付属体は棒状で柄がある。近縁種で仏炎包が大形で筒部の口辺が耳状に著しく広がるものをミミガタテンナンショウとして区別する。関東、中部、広島県、山口県および四国に分布する。名は、春の彼岸(ひがん)のころに咲くことによる。奄美(あまみ)諸島徳之島には、よく似たトクノシマテンナンショウが分布する。

[邑田 仁 2022年1月21日]

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世界大百科事典(旧版)内のヒガンマムシグサの言及

【テンナンショウ】より

… テンナンショウ属Arisaema(英名Indian turnip)は日本で30種以上が分化している大きな属で,西南日本に多い。テンナンショウに似たヒガンマムシグサA.aequinoctiale Nakai et F.Maek.は房総半島から知られ,名まえのように3月に開花を始める早咲きで,やや小型である。この群にはミミガタテンナンショウA.limbatum Nakai et F.Maek.(関東山地,東北や四国の一部)やナガバマムシグサA.undulatifolium Nakai(伊豆地方)など地方的な種が知られている。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」