ヒドロゲナーゼ

化学辞典 第2版 「ヒドロゲナーゼ」の解説

ヒドロゲナーゼ
ヒドロゲナーゼ
hydrogenase

酸化還元酵素一種で,微生物界に広く存在する.基質となる水素のみに着目すれば,次の反応を触媒し,微生物による水素の発生と吸収にかかわる.

H2 2H + 2e(電子受容体などは省略)

水素細菌

H2NAD HNADH

や,メタン細菌,

CO2 + 4H2 CH4 + 2H2O

に関与する補酵素F430の還元などでは,最終的にATP合成系と共役し,エネルギー獲得に寄与する.[CAS 9027-05-8]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヒドロゲナーゼの言及

【酸化還元酵素】より

… 生体内の酸化還元反応には水素原子の移動を伴う反応(脱水素反応)が多い。そのために多数の脱水素酵素(デヒドロゲナーゼ)が,生体物質の生合成や相互転換,分解など,中間代謝のさまざまの局面で機能している。特に発酵や呼吸のような,物質の酸化に伴って放出されるエネルギーを,生体が利用できる形に変換する重要な代謝過程においては,種々の有機物質からNADなどの補酵素に水素原子を伝達する反応を触媒する多数の脱水素酵素がはたらいている。…

※「ヒドロゲナーゼ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」