ヒメヤシャブシ(読み)ひめやしゃぶし

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒメヤシャブシ」の意味・わかりやすい解説

ヒメヤシャブシ
ひめやしゃぶし / 姫夜叉五倍子
[学] Alnus pendula Matsum.

カバノキ科(APG分類:カバノキ科)の落葉低木または小高木。大きなものは高さ5メートル以上になる。葉は卵状楕円(だえん)形で細長く、側脈は20~26対、縁(へり)に重鋸歯(じゅうきょし)がある。また、よく似た別種ヤシャブシよりも細く、側脈の数が多い。雌雄同株。4~5月に開花する。果穂は長さ1.5センチメートル、球果状になる。堅果に翼があり、風で散布する。日当りのよい谷筋の斜面などに生え、北海道と本州の日本海側に分布。やせ地でもよく生育するので、砂防用に植えられる。また、はげ山の緑化樹にもする。

[菊沢喜八郎 2020年2月17日]

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世界大百科事典(旧版)内のヒメヤシャブシの言及

【肥料木】より

…スギ人工林の生長を促進させるためにヤマハンノキを混植することは,古くから山梨県の富士川西部の富沢町や神奈川県南足柄市,静岡県御殿場市などで実行されていた。また,はげ山復旧のためクロマツにヒメヤシャブシを混植する技術は,明治初頭に滋賀県の一農民によって開発された。その後ヒメヤシャブシの育苗技術が進み,滋賀県のみならず全国的に行われるようになった。…

【ヤシャブシ】より

…本州,四国,九州に分布する。ヒメヤシャブシ(別名ハゲシバリ,ミネバリなど)A.pendula Matsum.は葉が細長く,雌花序は3~6個つき,果時には長さ1.5cmとやや小型で,下垂する。北海道,本州,四国に分布する。…

※「ヒメヤシャブシ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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