ヒンドゥークシ山脈(読み)ヒンドゥークシさんみゃく(その他表記)Hindū Kush

精選版 日本国語大辞典 「ヒンドゥークシ山脈」の意味・読み・例文・類語

ヒンドゥークシ‐さんみゃく【ヒンドゥークシ山脈】

  1. 〘 名詞 〙 ( ヒンドゥークシはHindu Kush ) パミール高原の南縁からアフガニスタンを横切り、イラン国境までほぼ西南西に延びる山脈。ユーラシア褶曲山系の一部。狭義にはアフガニスタンの首都カブール付近までをいい、標高七〇〇〇メートルをこす高峰が連なる。古来西アジアからインドへの通路にあたり、バロギル・カイバー・チャリカル・シバルなどの峠道が開かれている。最高峰ティリチミール(七六九〇メートル)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヒンドゥークシ山脈」の意味・わかりやすい解説

ヒンドゥー・クシ山脈
ひんどぅーくしさんみゃく
Hindū Kush

パミール高原に発して南西に延び、アフガニスタンの背骨をなす山脈。全長800キロメートル、最高峰はノシャーフ山(7470メートル)である。東部ヒンドゥー・クシ、西部ヒンドゥー・クシ、コーヒ・バーバー、フェーローズ・コー、パラパミスス(シアー・コー)、ティールバンディ・トルキスタン、スピーン・ガル、スライマンの諸山脈に分かれる。この山脈を南北に越える峠として、カブール寄りにハーワーク峠(3600メートル)、サーラング峠(4075メートル)、シバル峠(3260メートル)、西のヘラート寄りにサブザク峠(2300メートル)がある。ハーワーク峠はアレクサンドロス大王や唐の仏僧玄奘(げんじょう)が通った昔の道、シバル峠は1932年に開通した自動車道、そしてサーラング峠の下に1964年トンネル道が完成した。19世紀にイギリスはこの山脈をロシアからインドを守るための壁として利用した。険しい地形と冬の積雪は現在なお交通の障害となっている。

[勝藤 猛]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒンドゥークシ山脈」の意味・わかりやすい解説

ヒンドゥークシ山脈
ヒンドゥークシさんみゃく
Hindu Kush

中央アジア主要山系の一つ。アフガニスタンを北東から南西に走る。最高点はパキスタン北西端部にあるティリチミル山 (7690m) 。カラコルム山脈とパミール高原の接点,パキスタン,アフガニスタン,中国,タジキスタンの境界付近に起る。 6000mをこえる峰と氷河が連なって,アフガニスタンとパキスタンとの国境を形成しつつ南西に走る。アフガニスタン領に入ると,次第に高度を減じ,カブール北西方からは,バグマン,コーヘババー,バンディバヤーン,セフィードクーなどの支脈に分れて,扇状に広がる。アレクサンドロス大王のインド遠征 (前4世紀) ,チムールの侵入 (14世紀) などの通路となったカワク峠 (3500m) が知られる。サラング峠 (4237m) 下を貫通するトンネルが 1964年に完成し,カブールとマザーレシャリーフを結ぶ幹線道路が大幅に短縮された。

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