ピタルコーラ石窟(読み)ピタルコーラせっくつ(英語表記)Pitalkhorā Caves

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピタルコーラ石窟」の意味・わかりやすい解説

ピタルコーラ石窟
ピタルコーラせっくつ
Pitalkhorā Caves

インド,アーンドラ王国時代の石窟寺院エローラ石窟北西 37kmのサタマラ高原渓谷最奥部にあり,13の石窟群から成る。前3~2世紀頃から数世紀にわたって第1~9窟が造られ,1~3世紀に第 10~13窟が造営されたことが銘文や遺構,遺品などによってわかる。そのうち第3,4窟は前2世紀頃の造営で,前者チャイティヤ窟,後者ビハーラ窟であり,第5窟も同じ古さを示す。第6,7窟は無柱式ホールで小室の中に木造付属物のあった穴の存在をはじめ,軒飾りや持送りに階段状の山形をつけるなど,紀元前後頃の造営を思わせる。第 10,11窟はストゥーパの進化した形態やストゥーパ細部の建築様式などから2~3世紀の造営と考えられる。彫刻遺品もアルカイックな作品群をはじめ,西アジア,ローマなどの彫刻の影響を受けている。

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