2013年に登録された世界遺産(自然遺産)。メキシコ北部にある7145km2という広大な土地は、北アメリカ四大砂漠のなかでもっとも低地にあり、もっとも高温のソノラ砂漠にある。黒と赤の溶岩流で形成された休火山であるピナカテ火山が東側に、常に形を変え、高さ200mにも及ぶものもある砂丘が広がるアルタル大砂漠が西側に広がる。ピナカテ火山の乾燥しきった花崗岩の峰は、高いものは650mに及ぶ。この景色と、線形、星形、ドーム形の砂丘とのコントラストは見事。砂丘は、砂の海に浮かぶ島のようで、固有の淡水魚をはじめ、多様な動植物が生息する。ソノラ・プロングホーンというレイヨウの一種は、ソノラ砂漠とアリゾナ州南西部にしか生息しない。また、噴火と衝突の力で形作られたと考えられている、巨大で、深く、きれいな円を描くクレーターが10ヵ所あり、景観にインパクトを与えるとともに、そのたぐいまれな地学上の痕跡は、科学者の関心の対象でもある。なおこの地域は、ユネスコの生物圏保護区にも指定されている。◇英名はEl Pinacate and Gran Desierto de Altar Biosphere Reserve