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ピネル Pinel, Philippe

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ピネル
Pinel, Philippe

[生]1745.4.20. センタンドレ
[没]1826.10.25. パリ
フランスの精神医学者。近代精神医学の創始者の一人。精神障害者に対する人道的治療の先鞭をつけた人。 1792年,ビセートル精神病院の主任医師となり,そこで多年にわたって拘禁されていた患者を鎖から解放したが,これは彼が行なった数々の大胆な改革の最初であった。また,種々の疾病を分類し,『疾病の哲学的分類』 Nosographie philosophique (1798) を著わした。これは近代的な疾病分類の先駆的著作である。

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百科事典マイペディアの解説

ピネル

フランスの精神医学者。1793年ビセートル病院,1795年サルペトリエール病院に勤務,犯罪者同様に取り扱われていた精神病者を解放し,医学的治療を受けさせた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ピネル【Philippe Pinel】

1745‐1826
フランス精神科医。南フランスのサンタンドレ・ダレーラックに生まれ,はじめ神学,哲学を志したが,医学に転じ,トゥールーズ,モンペリエ両大学で医学を修めた。さらにパリに出て研究を続け,骨や関節についての研究を行った。一時パリ植物園(ジャルダン・デ・プラント)に就職したこともある。友人の発狂が動機となり,精神医学を専攻することを決心し,P.カバニスの推挙によって,1793年にパリのビセートル精神病院の医員となり,95年にはサルペトリエール精神病院の医員となった。

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大辞林 第三版の解説

ピネル【Philippe Pinel】

1745~1826) フランスの精神科医。精神療法の有効性を説き、近代精神医学の創始者とされる。

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世界大百科事典内のピネルの言及

【精神衛生】より

…精神的健康とは精神障害がなく,個人が社会の中で良好な適応状態にあることだが,社会文化的価値基準や個人的事情の違いにより相対的な面がある。 近世以降の精神衛生活動をみると,18世紀末フランスのピネルは,ビセートル病院の精神障害者を拘束から解放し人道的に扱う方向を開いた。このような狭義の精神衛生の実践はイギリスのコノリーJ.ConollyやドイツのジーモンH.Simonに受け継がれた。…

【狂気】より

…つまり,それまで神秘的自然観や魔術思想で養われていた狂気は医学の乾いたまなざしの対象となり,同時に人里離れた癲狂院へと封入され,そのうえ鉄鎖でつなぎとめられた。フランス革命後の1793年,ピネルがパリ郊外のビセートルでこれらの鉄鎖を解いた事績はよく知られており,精神病者の人間化の第一歩と評される。しかしこの過程はM.フーコーの主張するように,狂気を医学の名で既成の価値体系や道徳的抑圧へと組みこんでいった過程でしかなく,つまり,精神疾患と呼ばれるものは単に〈疎外された狂気〉にすぎないともいえる(反精神医学)。…

【作業療法】より

…精神科作業療法の歴史は非常に古く,作業が運動や遊戯や音楽などといっしょに精神病の治療法として用いられたのは紀元前からであるという。しかし,18世紀末にフランスのP.ピネルが精神病患者を鎖から解放して作業を課したことは画期的なことであり,近代の作業療法は彼に始まるといってよく,また,その学問的な体系づけはドイツのジーモンHerman Simon(1867‐1947)が1927年に賦活療法aktive Krankenbehandlungとして体系化したのが最初である。ジーモンは,作業が患者の中に残存する健康な面を強化・増進させることによって,障害された病的な部分が克服されることに意義を認めた。…

【精神医学】より

…イギリスのヨーク市に理想的な施設〈ヨーク・リトリートYork Retreat〉をつくったクエーカー教徒の商人チューク,〈狂者を直接に治すことができるのは精神治療しかない〉として収容所の改革を説いた前述のライル,バイロイト近郊の施設を模範的な精神病院に建てかえ,病者と生活を共にした同じくドイツの医師ランガーマンJ.G.Langermannらがその例である。また,フランスのP.ピネルが,革命の進行しつつあった1793年8月25日,パリ近郊のビセートル病院で患者を鉄鎖から解放した事績は最もよく知られている。これについては,人間の解放のないところに精神病者の解放もありえないとする18世紀啓蒙思想の影響をみることもできるが,他方では,ピネルによる解放は身体の解放にとどまり,精神的にはかえって病者を道徳的抑圧のシステムに組みこんだというM.フーコーらの批判もある(反精神医学)。…

※「ピネル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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