フィッシャー投影式(読み)フィッシャートウエイシキ

化学辞典 第2版 「フィッシャー投影式」の解説

フィッシャー投影式
フィッシャートウエイシキ
Fischer's projection formula

不斉炭素原子をもつ立体異性を表すために,E.H. Fischer(フィッシャー)が1881年に提案した投影式.たとえば,図(a)に示した(S)-乳酸の場合,図(b)のように,図面上の不斉炭素に対し,位置番号1のC原子を上に炭素鎖を縦方向(図の後方)に,炭素鎖の左右原子団は図の前方に水平に置いて投影した式をいう.この方式は,α-アミノ酸グリセルアルデヒド(糖類)にも適用され,DL表示法により絶対構造が示されている.例を投影式に示す.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフィッシャー投影式の言及

【立体構造式】より


[投影式]
 分子を基準平面に投影して,その三次元構造を表現した立体構造式。不斉炭素原子のまわりの立体配置を表すのに用いられるフィッシャー投影式(またはフィッシャー投影図。1891年E.フィッシャーの提案による)では,不斉炭素原子(1分子中に2個以上の不斉炭素原子がある場合はそのすべて)は基準平面上にあり,不斉炭素原子から左右の方向にでる結合は基準平面から上向きであるのに対して,上下の方向にでる結合は基準平面から下向きであると約束する。…

※「フィッシャー投影式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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