フェデリーコ(2世)(読み)ふぇでりーこ(英語表記)Federico Ⅱ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェデリーコ(2世)」の意味・わかりやすい解説

フェデリーコ(2世)
ふぇでりーこ
Federico Ⅱ
(1194―1250)

シチリア王、神聖ローマ皇帝。ドイツ人皇帝ハインリヒ6世とシチリアのノルマン王朝の王女コスタンツァとの間に生まれる。父の死後、幼くしてシチリア王位を継承し(1198)、さらにドイツ王即位(1212)を経て1220年に帝冠を受ける。教皇に対抗して帝権の拡大を図るために、シチリア王国内の中央集権化を強力に推し進め、絶対君主先駆ともみなされる。また文化政策の面でも、学芸を積極的に奨励して、パレルモ王宮を中心に宮廷文化の育成に努めた。なかでも、イタリアの俗語による恋愛詩を開拓したいわゆるシチリア派詩人たちの活動は重要であり、皇帝もその一員として作品を残している。

[林 和宏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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