フェニルヒドラゾン(読み)ふぇにるひどらぞん(英語表記)phenylhydrazone

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェニルヒドラゾン」の意味・わかりやすい解説

フェニルヒドラゾン
ふぇにるひどらぞん
phenylhydrazone

アルデヒドケトンなどのカルボニル化合物フェニルヒドラジンを作用させたとき、脱水縮合により生じる化合物総称


 比較的融点が高いものが多く、カルボニル化合物の確認用の誘導体として合成される。しかし、さらに結晶性がよく、融点の高い2,4-ジニトロフェニルヒドラゾンのほうが合成される機会が多い。

 メチルアルキルケトンから誘導されるフェニルヒドラゾンは、塩化亜鉛と加熱すると2-アルキルインドールを生じる(フィッシャーのインドール合成法)。

[務台 潔]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェニルヒドラゾン」の意味・わかりやすい解説

フェニルヒドラゾン
phenylhydrazone

一般式 RR'C=N-NH-C6H5 の化合物の総称。ケトンあるいはアルデヒドにフェニルヒドラジンを作用させて得られる。一般に水に不溶,アルコールクロロホルム酢酸エチル可溶。白色結晶性の固体。ケトンおよびアルデヒドの検出および確認に利用される。また酸で処理すると容易にインドール類を生成するものが多い。

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化学辞典 第2版 「フェニルヒドラゾン」の解説

フェニルヒドラゾン
フェニルヒドラゾン
phenylhydrazone

[別用語参照]ヒドラゾン

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のフェニルヒドラゾンの言及

【フェニルヒドラジン】より

…塩基性で,種々の酸と塩をつくる。ヒドラジンと同様ケトン,アルデヒドと反応し,難溶性のフェニルヒドラゾンを生じ,希薄溶液でも濁りが認められるので,糖質化合物,ケトン,アルデヒドの分離,確認の試薬として用いられる。またアンチピリンの原料とされる。…

※「フェニルヒドラゾン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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