プラトニック・ラブ(英語表記)platonic love

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プラトニック・ラブ」の意味・わかりやすい解説

プラトニック・ラブ
platonic love

一般には肉体的感覚的欲望に優越する精神的愛をいい,文字通りプラトンの愛 (エロス) に由来する。なおプラトンのエロスは,性愛的段階での対象との合一を超克して,超越的価値との出会いを目的とする。

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世界大百科事典(旧版)内のプラトニック・ラブの言及

【性】より

…プラトンのエロスは確かに男女の愛を含むものであったが,そればかりではなく,ともに真理を探究することによってイデアの世界に達しようとする師弟間の愛なども含んでいた。〈プラトニック・ラブ〉の本来の意味は今日の同性愛であるといわれる。 一方,キリスト教は,このようなヘレニズム的世界の性思想や,ユダヤ教を含む先行諸宗教の性思想を,快楽主義と批判して,夫婦間の性交だけをよしとするパウロの主張を教会の教えとして確立するにいたる。…

【同性愛】より

…同性を性愛の対象とすることと定義できる同性愛は,そのイメージを20世紀において大きく変えた。同性愛はすぐれて20世紀的現象であり,人類の歴史において20世紀ほど同性愛者差別問題が激化し,また解放が強く叫ばれた時代はない。そして20世紀末,同性愛者に対する偏見は弱まりつつある。アメリカ精神医学会発行の《精神障害の診断と分類の手引》は1980年版以降,同性愛を削除し,WHO(国連世界保健機構)編纂の《国際疾病分類》も1992年版以降,同性愛を削除した。…

【男色】より

…弁論家デモステネスはクノシオンを愛し,クセノフォンはクリニアスとアウトリュコスを,ソクラテスはアルキビアデスを,アリストテレスはヘルメイアスとテオデクテスらを,エンペドクレスはパウサニアスを,エピクロスはピュトクレスを愛し,キプロスのゼノンらストア学派の哲学者たちももっぱら少年愛にふけった。そして時を経るにつれて精神的少年愛(プラトニック・ラブ)よりも肉欲的側面が追求されるようになり,少年の売淫は法的に禁止されるにいたるが,男色にまつわる語彙が100近くあることにも示されるように,少年愛はギリシアにおいて,少なくとも富裕な貴族層とその周辺ではかなり普遍的だったと考えてよさそうである。
[ローマ]
 ローマの少年愛にはギリシアのように高貴な精神的側面は見られない。…

※「プラトニック・ラブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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