プリュッカー座標(読み)ぷりゅっかーざひょう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

プリュッカー座標
ぷりゅっかーざひょう

ドイツの数学者、物理学者であるプリュッカーの導入した座標。平面上の点には座標(x,y)が対応する。斉次(せいじ)座標を使えばX:Y:Z=x:y:1となる(X,Y,Z)が対応し、点の集合である図形の研究は、それらの座標についての解析的研究に帰せられる。平面上の直線はax+by+c=0の形で表されるから、直線はa、b、cを定め、逆に三つの数は直線を定める。この場合a、b、cは一意に直線を定めるが、直線はa:b:cなる比の値だけを一意に定め、その意味で点の斉次座標に似ている。プリュッカー座標は空間における直線の座標で、次のように定義される。直線l上の2点P、Qの斉次座標をそれぞれ
  (x1,x2,x3,x4),(y1,y2,y3,y4)
とするとき
  (1) pij=xiyj-xjyi,
      1≦i<j≦4
なる六個の数p12、p13、p14、p23、p24、p34をlのプリュッカー座標という。これら六数の比
  p12:p13:p14:p23:p24:p34
は、l上に点P、Qをどこにとっても同じであり、また
  (2) p12p34+p13p24+p14p23=0
なる関係を満足する。逆に、(2)を満たす六数が与えられれば、(1)を満たす点
  (x1,x2,x3,x4),(y1,y2,y3,y4)
を求めることができて、与えられた6個の数はこれら2点を通る直線のプリュッカー座標になる。空間にある直線lに対して五次元空間で斉次座標が(p12,p13,p14,p23,p24,p34)なる点を対応させれば、直線の集まりがつくる幾何学的対象の研究は、五次元空間で座標が(2)を満たす四次元的曲面上の点集合の解析的研究に帰せられる。この意味でプリュッカー座標は射影幾何学、代数幾何学で重要である。[立花俊一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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