プレシアントロプス(英語表記)Plesianthropus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「プレシアントロプス」の意味・わかりやすい解説

プレシアントロプス
Plesianthropus

南アフリカ共和国ヨハネスブルク近くのステルクフォンテーンで発見された化石人類。1936年にロバート・ブルームによって頭蓋骨片と四肢骨の一部が,1947~48年にブルームとジョン・タルボット・ロビンソンによってほぼ完全な頭蓋と四肢骨などが発見され,プレシアントロプス・トランスバーレンシス P. transvaalensis と名づけられた。すぐ近くから食虫類やサル,ハイエナ,ウマなどの動物化石が出土しており,時代は約 250万年前と推定されている。顎骨は前方へ突出し(突顎),歯は現代人より大きいが,歯列弓は放物線状である。脳容量約 500~600cm3であるが,大後頭孔は下方を向いており,骨盤や足の骨の特徴も,直立二足歩行が可能であったことを示している。今日では,南アフリカのタウングで発見された化石とともにアウストラロピテクス・アフリカヌスアウストラロピテクス類)にまとめられている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディア 「プレシアントロプス」の意味・わかりやすい解説

プレシアントロプス

1936年―1938年R.ブルームが南アフリカのステルクフォンテインで発掘したアウストラロピテクスの化石。ほとんど完全な成人頭骨が復元された。また骨盤片から直立歩行したことが判明

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内のプレシアントロプスの言及

【アウストラロピテクス】より

…その後数十年の間に,古い人類の化石とみなされるようになったが,学名は,意味を離れて最初の命名を尊重することになっているため,そのまま使われている。同義にみなされる属名として,プレシアントロプス,パラウストラロピテクスがあり,アウストラロピテクスの属名を広義に使用する学者は,パラントロプスとジンジャントロプスも,同義の用語とみなす。【岩本 光雄】。…

※「プレシアントロプス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android