ヘンテイ山脈(読み)へんていさんみゃく(英語表記)Khentiyn Nuruu

改訂新版 世界大百科事典 「ヘンテイ山脈」の意味・わかりやすい解説

ヘンテイ[山脈]
Khentii
Khentei

モンゴル高原北部にある山脈。〈ケンテイ〉ともいう。ウランバートル付近から北東へロシアのヤブロノイ山脈方面に至る。全長約250km。平均高度1600~2000m。最高峰モンゴル側にあるアスラルト・ハイルハン山で2799m。万年雪,氷河はない。モンゴルで最も降雨量が多く,高い方から高山タイガ,森林ステップの各植物帯が分布し,オノン,ケルレンなどの川の源となっている。12~13世紀ごろモンゴル部はこの山を根拠地の一つとし,とくにこの山脈中の一峰ブルハン・ハルドゥン尊崇していた。現在ハルハ・モンゴル族のほか,ブリヤート族も広く居住している。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘンテイ山脈」の意味・わかりやすい解説

ヘンテイ山脈
へんていさんみゃく
Khentiyn Nuruu

モンゴル高原北部にある山脈。モンゴルの首都ウランバートル付近から北東に延び、ロシア連邦領に及ぶ。ケンテイ山脈とも発音する。全長250キロメートル、平均標高1600~2000メートルで、最高峰はアスラルド・ハイルハン山(2799メートル)。万年雪はない。モンゴル高原のなかでは雨量が多いので、上から高山、タイガ、山岳森ステップの植物帯が広がっている。ケルレン川オノン川、トーラ川、ヨロー川などの水源をなす。チンギス・ハンの出たモンゴル部はこの付近を根拠地の一つとし、チンギス・ハンは山脈中のブルカン岳を尊崇していた。現在はハルハ・モンゴル人のほか、ブリヤート人も多く居住している。

吉田順一]

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